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もの忘れ

もの忘れについて

もの忘れには、年齢による「正常なもの忘れ」、認知症になりやすいとされる「軽いもの忘れ」や「病気によるもの忘れ」があります。
認知症は「起こったことをすっかり忘れてしまう」という特徴があります。
加齢によるもの忘れは「夕飯を食べた事は覚えているが、何を食べたのか思い出せない」のに対し、認知症は「食べた事を思い出せない」といった違いがあります。
病気によるもの忘れであっても、早期発見や適切な治療を行うことによって回復するものもあります。また治療の方法が無いとされてきたアルツハイマー病などでも適切な薬物選択や生活指導を行うことで症状の改善を期待できます。

もの忘れ

もの忘れの種類

軽度認知障害

軽度認知障害は認知症ではありません。しかし、まったく健康な状態でもなく、年齢に伴うもの忘れと認知症の間の段階とお考えください。

認知症

認知症とは、何らかの脳の障害によって、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいいます。認知症は、大きく2つに分類されます。

アルツハイマー型認知症

脳の神経細胞が減少する、脳の中で記憶を司る「海馬」を中心に脳全体が萎縮する、脳に「老人斑」というシミが広がる、脳の神経細胞に糸くず状の「神経原線維変化」が見つかるといった変化が現れることがわかっています。
アルツハイマー病を発症すると、記憶障害の症状が見られ、進行にともなって場所や時間、人物などの認識ができなくなる「見当識障害」の症状が現れます。

脳血管性認知症

脳血管障害による血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの発作によって脳の血液の流れが悪くなったり、血管が破れたりすることが原因です。
血管性認知症を発症すると、知的機能の障害のほかに、しびれやマヒ、歩行障害などの身体的な機能の低下が現れることがあります。脳の損傷を受けている場所によって症状にムラがあることも特徴です。

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い

アルツハイマー型 脳血管性
年齢

75歳以上に多い

60歳代から

性別

男:女=1:3

男性に多い

経過

進行性

脳血管障害の発作に伴って段階的に進む

病識

ほとんどない

進行するとなくなる

他の自覚症状

少ない

頭痛、しびれ、めまいを伴うことがある

持病との関係

関係は少ない

生活習慣病を持っていることが多い

特徴的な傾向

落ち着きがない

精神不安定になることが多い

人格

人格崩壊

ある程度保たれる

認知症の性質

全体的な能力低下

まだらぼけ

診察・診断方法

問診
問診

患者様とその御家族を含めて、いつからどのような症状が出始めたかをお聞きします。さらに知能テストを行い、認知症がどうか、そしてどのようなタイプの認知症かなど調べていきます。

検査
検査

血液検査を行います。
CTスキャンやMRIで、脳血管障害や脳の萎縮など認知症の種類や進行状況を詳しく画像検査します。

画像検査によるアルツハイマー型認知症診断

アルツハイマー型認知症は、放置していると進行していきます。
明らかな症状が出る頃には、脳がだいぶ萎縮してしまっていることが多く、現時点では治す方法がありません。しかし、幸いなことに今は進行をゆるやかにする良いお薬があります。このため、認知症という病気は、初期の段階で正しく診断し、治療により進行を遅くすることが重要となるのです。
アルツハイマー型認知症の早期診断にはMRI検査での画像診断が有効です。
MRI検査では、はっきりと目に見える症状のない時期から病気による脳の変化(萎縮)を知ることができます。
検査は20分のあいだ横になるだけですので検査を受ける方への負担は少なく、磁気を用いるため被爆もありません。

MRI検査では、はっきりと目に見える症状のない時期から病気による海馬付近に萎縮がみられます。

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